魚をめぐるあれこれ

渡英して最初の金曜日、ホストマザーでもあり、ボランティア活動校の校長先生でもあるシルビアが、学校から帰宅途中の車の中で

「今日は金曜日だから、うちはいつも魚を食べるの。だから、フィッシュ&チップスを買って帰るわね。」

といった。

なんでもキリストが受難したのが金曜日で、キリスト教徒は金曜日には肉食を避け、魚を食べるものらしい。

わたしは初めてロンドンに行ったときは食べ損ねてしまったので、お店であげたてをテイクアウトして食べたその日のフィッシュ&チップスが初めてだった。

ビネガーと塩を振って食べるのだが、本当においしい。

でも、一人分のポテトの量(ご存知かと思うが、チップスとはポテトチップではなくて日本でいう厚切りフライドポテトのこと)がかなり多くて、白身魚のフライもかなり大きい。

ぺろっとおいしくいただいたが、わたしは実はフライドポテトがあまり得意ではないので、完食した自分にびっくりした。

イギリスでは、スーパーに行けば魚もうっているけれど、普段の食事にでるのはやはり肉が中心で、ホームステイ先の食事に魚がでてくることはほとんどなかった。

フィッシュ&チップス意外に唯一ホームステイ先の食事に登場した魚料理、それは「フィッシュフィンガー」だった。白身魚のフライなのだが、身を細長くカットしたもの?にフライを付けて衣が付いたもので、油で揚げれば出来上がり。
イギリスの家庭では頻度はともかく誰しもが食べたことがあると思う。
日本の食卓に出てくるおかずで例えれば、冷凍コロッケかチルド(または冷凍)コロッケくらいな親しみやすさである。

そのフィッシュフィンガーが小道具のように使われていたのが、映画「クイーン」だった。

実はわたしが渡英したこの年の夏、ダイアナ妃がパリで悲劇的な最後を遂げた。

映画「クイーン」は、ダイアナ妃が悲劇的な最期を遂げてから葬儀が行われるまでの1週間の王室の揺れ動くさま、国民との感情の乖離、国民と王室が離れることを食い止めようとする当時のブレア首相の様など、ドキュメンタリーかと思ってしまいそうになるくらいに当時の様子を克明に描いた映画なのだが、その中でブレア首相の自宅でのシーンもたびたび登場する。
そしてある日の食卓では、ブレア夫人のシェリーがフィッシュフィンガーをフライパンで揚げ(もしくは油多めの揚げ焼き?)、夫と話しながらそれを家族の食卓に出していた。
シェリー夫人もかなり優秀な弁護士だと聞いているし、彼女が本当に自宅でフィッシュフィンガーを揚げているのかどうか不明だが(安倍首相の昭恵夫人が台所で「今日のごはんのおかずはこれよ~」と冷凍コロッケを上げている姿はあまり考えられない。あるかもしれないが)
庶民派をアピールする小道具なのかもしれないな、と思いつつ映画を見たことを覚えている。

この映画「クイーン」については、また後日改めて触れたいと思う。

ちなみに、渡英中に食べた魚の中で一番ゴージャスだったのは、ボランティア活動先の学校の先生の一人が先生たちとわたしも自宅に招待してくださり、ケータリング専門のシェフを読んでくださったときに食べたサーモンだった。ケータリング専門のシェフのお料理をいただくのも初めてだったが、このお宅、敷地はそれほど広くはないとはいえ、自宅内に(屋内)プールがあり、車はジャガー。

そんな環境でいただいたお食事のメインはボイルしたサーモン。
ピンク色の美しい色合いのとおり、とてもおいしくてみんな激賞していた。
だがしかし、やはりわたしは日本人。しかもサーモンを愛してやまない北海道人。
「おいしいけど、お醤油があったら、もっともっとおいしいのに・・・」
と、頭に浮かぶのは「お醤油」のことばかり。
やはり身についた食習慣、味の好みというものは、そう簡単には変わらないようだ。

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